第四章
エックス邸内、リビング。
タオルを受け取ったピチカは、髪や体を軽く拭っていた。服までびしょ濡れになっていたので、途方に暮れていると。
「後でお風呂に入ろうね」
と、ナナが声をかけてきて。
ピチカは頭をタオルで拭きながら、「うん」と笑って。そして、気まずそうに。
「……ナナちゃんも知ってたの?」
実はナナも、ポポと共にDX部隊のメンバーだったのだ。当時はまだ幼かったらしいが……事情を知らないわけがない。
「ちょっとね」
曖昧に答えて、ナナはソファーに腰掛ける。ピチカはその隣に腰掛けると、
「そっか」
とだけ返して。……やがて、沈黙。
そんな時、当事者であるフォックスがリビングに入ってきた。誰かに打たれたのか、頬が赤く腫れてしまっている。
すると、気付いたカービィが駆け寄ってきては、ビシッと勢いよく指差して。
「っあー! 誰かにフラれてやんのー!」