第一章



「生半可な気持ちで戦場に踏み出そうとしている餓鬼が、調子に乗るなよ」

そこで初めて、強面の男は口を開いた。

その声があまりにも顔付きと見合っていたので立ち止まっていると、次の瞬間には、銃口を向けられていて。

「俺様は……」

足が竦んで動かない。電話の相手が何か言っているが、ルーティの耳には届かず。

「そういうのが大嫌いなんだよ!」


パァン!


銃声が、森に鳴り響く。

しかし、撃たれたのはルーティではなく、強面の男の構えた銃だった。

銃弾によって銃は弾かれ、強面の男は銃弾が放たれた方向を鋭く睨み付ける。そこにいたのは、銃を構えた薄茶色の髪の男。

「ウルフ!」

薄茶色の髪の男は、語気を強めて。

「ルーティに何かしたら、許さないぞ!」
 
 
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