第四章
「よせよ、フォックス」
見れば、ピチカはフォックスの普段とは違った様子に怯え、微かだが震えていて。
見兼ねたファルコが肩を掴んだ。
「だってルーティが――」
フォックスが勢いよく振り向いたその時、懐からペンダントが飛び出して床に落ち、転がった。リオンはそれを拾い上げて。
銀色の星形のペンダントである。リオンは何気なく裏返して見てみた。
「Radeisu to Fox……?」
リオンは思わず、ペンダントの裏に掘られていた内容を読み上げた。すかさず、フォックスは歩み寄ると強引に取り上げて。
「フォックス、殿?」
らしからぬ行動だ。リオンは小首を傾げて。すると、スネークが一歩、踏み出して。
「話してくれないか?」
スネークはフォックスに歩み寄りながら。
「ルーティの父親、ラディスのことを」