第四章
ぱたん、と扉を閉めて、ルーティは謎の少年二人と向き合い、一歩、踏み出す。
「……君って」
右腕の少年が小首を傾げ、訊ねる。
「ラディスの息子、だよな?」
ルーティはきょとんとした。
――今までに自分の父親の名前を知っているのは、母親とポケモン組、スピカ、それにスネークだけだと思っていたからだ。
「そうだけど」
眉間に皺を寄せながら、ルーティは答える。すると、少年二人は顔を見合わせて。
「おかしいな」
「確かに、変だよねぇ。もしかして」
そして、事を理解したのかくすくすと笑みを溢す。――刹那、全身を突き刺すような凄まじい殺気がルーティを襲った。
足が竦む。しかし、二人の少年はにこにこと笑っているのだ。
「俺はマスターハンド」
「僕はクレイジーハンド」
初めに右腕の少年、次に左腕の少年が自己紹介をして、軽く頭を下げる。そして。
「もしも……ルーティ。君が」
右腕の少年、マスターが提案したのは。
「俺に一発でも入れることが出来たら、その時は俺が"ご褒美"をあげよう」