第四章



ルーティがそう告げると、途端にディディーとトゥーンはきらきらと瞳を輝かせ、我先にとエックス邸の中へ。

続いて、ネスがリュカの手を引きながら二人を追いかける。それを見たピチカは、咄嗟にルーティの手首を掴んで。

「ほらっ、おにぃも一緒に行こうよ!」

無邪気な笑顔でそう告げては、ぐいぐいとルーティの手を引っ張る。


――と、ピチカの動きが止まった。


「おにぃ……あれ」

ピチカに囁かれ、ルーティはゆっくりと振り向く。そこにいたのは、二人の少年。

一人は青みがかかった白髪で左目を包帯で覆い、左腕が無い。もう一人は赤みがかかった白髪で、右目を包帯で覆い、右腕が無い。――その二人は手を繋いでいた。

此方を黙ったまま見据えていて、不気味だ。ルーティはピチカの手を離すとエックス邸内に押し遣り、告げた。

「おとなしく、中に入っててね」
 
 
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