第四章
「で、僕に何か用?」
「えっと」
ルーティがそう訊ねた瞬間、リンクは勢いよく顔を背けて。すると、歩み寄ってきたのは手伝いをしていたらしいマルス。
「そういえば、今日は雨が降るみたいだね。子供達、まだ外じゃないか?」
「そうですね! おやつにケーキも焼きたいですし、呼んできてもらえますか?」
マルスの発言に対し、ぱんっと手を叩いて合わせ、賛同するリンク。怪訝そうなルーティの手から皿を奪い、追い立てるようにロイが片手で背中を押して。
「ほらっ! ここは俺達に任せと、け!」
「ちょ」
あっという間に食堂から追い出され、扉が閉まり。嫌われているのだろうか、なんて思い込み、ルーティは溜め息を洩らす。
「まあいっか」
ぽつりと呟いて、食堂を離れる。
――いいもん、別に。皆が僕を嫌ったって、挫けてなんかやらないんだからねっ!