第四章
「こらぁ! きちんとしろぉぉ!」
ルーティの指示が不満だったのか、ローナは無線越しにギャーギャーと喚いて。
「だって、何もないんでしょ?」
「そうだけどさぁ!」
はあ、とルーティは溜め息を洩らして。
……実は彼、あの日以来フォックスに頼まれ、エックス邸のモニタールームでそれはもうひたすら指示を出していたのだ。
最初こそルーティも乗り気で、指示もてきぱきとしていて周りからも好評だった。
が、一週間でこれである。
「んー、だったら戻ってもいいよ?」
「だからっ、そうじゃなくてぇぇ!」
ルーティが苦笑を浮かべていると、モニタールームの扉が開き、ユウが入ってきた。
気付いたルーティが振り返り、小首を傾げていると、ユウは早足で歩み寄って。
「……え?」
ルーティの額に、手を翳した。