第三章
一頻り、共にデザートを堪能した後で、ルーティはコップを手にストローを銜え、オレンジジュースを啜っていた。
スネークはコーヒーの注がれたカップの取っ手を手にすると、軽く息を吹きかけ、少しだけ冷ましてから、コーヒーを啜る。
「……こうしてるとさ」
ルーティはコップをテーブルの上に置くと、頬杖をついてじっと見つめながら。
「本当の家族みたいだね」
――そう言って、笑ったルーティは何処か寂しげで。スネークは短く息を吐き出すと、カップを小皿の上に置き。
「家族がいないのか?」
「いるよ」
即答。スネークは拍子抜けした。
「母子家庭だけどね」
ルーティがそう付け足すと、やっぱりそういうことか、とスネークは内心納得して。
「父親は……」
気になったものはしょうがない。
スネークは思わず訊ねてみたが、それを聞いたルーティが視線を落としたのを見て、地雷を踏んでしまったのだと悟って。