第三章
「ウルフ! 待ってってば!」
距離が離れると立ち止まり、振り向くのだが、縮まるとまた背を向けて駆けていく。
やがて、非常口と思われる扉の前まで来ると、ウルフは立ち止まり、扉を開いて。
「……早く行け」
扉の向こうは外だった。
促されるがまま、怪訝そうな顔をしつつもルーティはスネークを連れ、外へ。
――何気なく振り向いたその時、ルーティは気付いた。ここまで案内したのはウルフではなく、ダークウルフだったのだと。
「あっ」
声をかけようとした時には、扉は閉まってしまい。ルーティは小さく声を洩らして。
――なんで、逃がしてくれたんだろう。
「……ソニック、大丈夫かな」
ルーティは司令塔を見上げ、不安げに呟いた。すると、スネークがぽんとルーティの頭の上に優しく手を乗せてきて。
「俺のパートナーだからな。問題ない」