エピローグ



組んだ手指を緩めて。解放するようにして腕を広げれば眩いばかりの光が溢れ出した。光は程なく天に向かって打ち出されると花火のように弾けて。今度波紋のように全世界を包み込む勢いで広がっていき粒子に変じて落ちていく。


それは。

温かくて優しくて。


「わぁー!」
「雪みたい!」


知らず知らずのうちに。


「何だこれは?」
「超常現象ってやつ?」


この世界の全て。

思考や認識を塗り替えて。


「綺麗……」


少年が祈った願いを叶えていく──


「人間は、愚かな生き物だ」

キーラは呟いた。

「そうだね」

その傍らでダーズは同調する。

「でも」
「……ああ」  

次の言葉を待つより先に。

「創造神と破壊神が慈しむのも頷ける──」


ふと。

意識を引き戻された。


「、……」

見上げた先には変わらぬ青空が広がっていて。

思考が澄んだ空気に浄化されるようで。

「おい」

呼びかけに応じて振り返った先で男も吹かせていた煙草を地面に放って踏み付けていた。神聖な土地でその行為は如何なものだろうと思いつつもそれに対して突っ込んだところで反応は見え透いている。

「帰るぞ」


──ルーティ。


「?」

返事もしていないのに情け容赦なくさっさと歩き出すパートナーを慌てて追いかけようとした矢先。確かに自分の名前を呼ぶ声がして足を止めて振り返ったがそこには大穴が広がるだけ──ルーティは暫し無言で立ち竦んだが。

「置いていくぞ」

意地の悪い追い打ちの発言に。

「ま、待ってよぉ!」
 
 
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