エピローグ



あの日。ダーズは確かに殺されたのだ。

たまたま兄が同じ天空人で。たまたまもたらされた光が願いを聞き届けて。歪んだ形で命を無理矢理に繋ぎ止めたというだけでその事実は決して拭えない。


僕は。

どんな命にも救いがあってほしいと思う。


その優しさは愚かだけど。

本当の意味での救いにはなり得ないけど。


それでも。

古くから伝わる教えで。こうして想いを込めて手を合わせるだけでほんの少しでも報われるなら。


どんなに馬鹿にされたって。

……僕は。


「ばあっ」


心臓が飛び出るかと思った。


「あははははっ!」

例えるなら操り糸が切れた人形のように。逆さまに吊るされるような形で正面向き合って何の前触れもなく顔を覗かれたら誰でも驚くことだろう。

「な、ぁ」

声にもならない。

「ふふ、あははっ!」

狂ったような笑い声が静寂を破って響き渡る。

「ルーティってやっぱり優しいんだぁ!」

対面していたのは。

「ぼくとボクとおれとオレが思った通りだねぇ!」

お馴染み黒い触手を引き連れた──

「だっ……ダーズ……!?」
 
 
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