エピローグ



カフェテラスで酒を酌み交わしていた酔っ払いの男は当然驚いたがすんなり答えてくれた。

人伝ひとづてに聞いた話だがなぁ──」


聞いたところで答えてはくれないだろうが変に遠慮してダークシャドウのリーダーを務める親友に亜空軍の動向を訊ねられなかったのである。そうこうしている間に水面下で話が進んでいるなんてX部隊のリーダーだの英雄の子だのといった肩書きが聞いて呆れるというもの。

実際どこまで計画の話が進んでいるものか分からないがまだ表立ってないだけ挽回の余地はあるのかもしれない。情報について根回ししておきたいところだが現場に駆け付けてからでも遅くはないだろう。


「……で」

パートナーの男は愛機から降りながら。

「ここに亜空軍の連中がいんのか」


地上界──ペレジア。

ちょうど数週間に降り立ったばかりの地に再び足を踏み入れることになろうとは。

「う、うん」

質問に答えろと睨みを利かせるウルフの刺すような視線を感じ取りながらルーティは応える。

「詳しい場所までは分からないけど」

フォーエス部隊の一部隊員の故郷でもあるこの地をあまり悪く言いたくはないが治安の保証がされてない以上どうにも緊張が抜けない。強張るルーティの横でウルフェンを自動操縦で飛ばしたウルフはすぐ目の前の見るからに古めかしい街並みを眺める。

「片っ端から洗うか?」
「ここに住んでる人たちの大半は無関係だよ」

そこまで言ったところでキーラとダーズの洗脳の能力の件がちらつき「……多分」と繋げばウルフは鼻で大きく息を吐いて歩き出した。

「ち、ちょっと!」

だからこそ手始めに聞き込み調査をするつもりではあったのだ。でもまさか道行く人に余さずガンを飛ばしながら荒々しく進み出た先で見つけた果物屋の店主に食ってかかろうものとは。

「おい」
「ウルフ!」
「新世界創造計画ってヤツを知ってるか」

店主の男は客とのやり取りを済ませた後でこの態度にも関わらず嫌な顔一つせずに取り合ってくれた。

「しんせ……ああ知ってるよ」


……!


「どっ何処でそれを!」

ルーティも思わずウルフの後ろから飛び出す。

「そこの建物だよ」
 
 
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