最終章
微量な変化を感じ取ったのか頭の上の大きな犬耳を傾けてリオンはユウを振り返る。
「五月蝿い」
ユウは吐き捨てるようにして間断なく。
「何年先でも何十年先でも私はあの日の自分の取るに足らなさを後悔する。誰が何をどう言おうと私は一生をかけて引き摺って墓まで持っていく」
誰もが黙って聞いていた。
「いいか」
そこでようやくユウは顔を向けて睨み付ける。
「お前のせいだからな……!」
彼は。
一筋の涙を流していた。
「この思いが」
ユウはその表情に苛立ちも含みながら。
「たった数年そこいらの相手に分かってたまるか」
「もう、やめてよ」
張っていた糸が切れたのだろう、リムは堪え切れず大粒の涙を溢れさせながら。
「平気な顔して見送りたかったのに」
「それは無茶な話ですね」
その変化は彼女のみに留まらず。
「はーぁ」
連鎖する。
「……早よ行ってしまえ」
虚勢が崩れていく。
「まだまだ子どもだよねぇ」
カービィは手を後ろで組んで進み出ながら。
「だから子ども扱いされるんじゃない?」
からかうように言って笑う。
「俺からすれば君だってまだまだ子どもだぞ?」
「えー? 皆既日食十回も見たことないくせに?」
「どんなマウントだよ」
ロイは苦笑い。
「マルス」
視線に気付いたラディスが呼ぶ。
「君も大きくなったね」
「……そうだね。こうもなるよ」
マルスはアイクの隣でそのやり取りを眺めていたが促されるよりも早く素直に進み出ながら返した。
「いつまでも若いのはあんただけだよ」
「あはは」
カービィによるブラックジョークとも言えよう正論にラディスは苦笑いを浮かべた後でいつの間にか集まってきていた懐かしの面々をぐるりと見回して。
「……どんどん抜かされちゃうな」