最終章
……ロックマン。……ありがとう。
「あーあ!」
わざとらしい声にルーティは振り返る。
「もう行ってまうんかいな」
頭の後ろで手を組みながら進み出たのはドンキーである。彼だけではなく──そこにはリンク、ユウ、リムの姿も。ルーティは気付いたように四人に注目するラディスの横顔を見た。
「忙しい人ですね」
「やっぱ天国も時間には厳しいんかな?」
「何それ」
「くだらん」
くすくす笑うリムにふんと鼻を鳴らすユウ。その取り留めもないやり取りに懐かしさを感じているのであろうラディスにルーティは口を噤む。
「大きくなったね」
不意に引き金を引かれた。
「そうですね」
会話を切らさないようにリンクが返す。
「何年経ってる思うてんねん」
「当たり前でしょ? もう何着たって馬子にも衣装なんて言わせないわよ」
「ウエディングドレスはまだ先やろなぁ」
「ちょっと何処見て言ってんのよ」
他愛ない会話が続く中で。
「ユウ」
ラディスが呼ぶ。
「何だ」
「ありがとう」
「何がだ」
いつも通りと言うべきかユウは腕を組みながら顔を背けてしまっている。
「ルーティのこと」
「知らん」
「辛い思いを」
「忘れた」
そんな彼の隣に一人の男が並ぶ。
「おい」
だがしかし何を言うより先に発言を制した。
「あはは」
この状況に見兼ねて心を読み上げようとしたのだろうがそれでも尚頑なに突っ撥ねるユウにリオンが尻込みしていればラディスは思わず苦笑い。
「難しい子だろう?」
「、……いや」
リオンは向き直り首を横に振る。
「言い草に難はあるが心根から優しい人だ」
「うん」
「口に出さず自分だけで賄おうとする弱さもある」
「変わらないね」
でも、と。
ラディスは優しく微笑みながら。
「分かってくれる人が出来てよかった」