最終章
僕は。願いは呪いであってはいけないと思う。
呪いなんかで終わらせないでほしい。
そう思うのが僕だけでもいい。
僕だけはそう思うから。
君たちは。
どうか僕を信じて。願いを諦めないで──
「、!」
キーラの手が微かに動いた。従って手首を掴んでいた手の力を緩めて滑らせれば素直に指を絡めて繋いでくれた。その動作はダーズも同様に──ルーティはふたりの手を固く繋いで正面を見据える。
海だ。海が見える。
幾つもの雲の層を突き抜けてもうこんな所まで──
「ルーティ」
不安げに呼ぶ声に焦燥した顔は見せられなかった。大丈夫だと言うように強く握り返した後で何か策はないかと瞼を瞑って思考を巡らせる。
ルー! お前のパートナーなら心配はいらねえ!
──行ってこい!
「もう」
ハッと目を開いた後で安堵したように瞼を伏せた。
「いいところばっかり持っていくんだから」
そっと開いた頃には。
「本当」
視界いっぱいに広がる青い海。
「そういうとこだよ」
誰もが息を呑んで見守っていた。
空高くから落ちていく光の化身と混沌の闇の化身を救うべく無我夢中で飛び出した少年の行く末は。
「……!」
パキッと異質な音が響き渡って。
「あれって」
どよめきの中墜落地点に注目が集まればクレイジーと並んで負傷した左肩に手を添えながらマスターは深く息を吐き出して呟く。
「……成る程な」