最終章
僕は……幸せ者だ。
その身を焼いて燃やして焦がして犠牲にする勢いで突き進んでいくのを送り出してくれる人がいる。信じて待っていてくれる人がいる。僕は絶対にそんな皆の想いを誓って無下にしたりしない。
──耳が痛いな。
苦笑混じりの父親の声が響いてきてそんな場合でもないのに思わず吹き出しそうになった。ルーティはマスターの創り出した足場を踏み込みながら。
「父さん」
全身に電気を滾らせる。
「……使うね」
──
「つ、っ」
速さは流星の如く。輝きは光の如く──黄金の雷をオーラのように纏いながらひび割れる足場を構わず力強く蹴り出して加速し限界のその先へ。
その速度に耐え切れず皮膚の表面が切り傷を刻むのも体の内側で線が切れたような音がするのも構わず火球のように──気付けば黒い粒のようだった二つの影がはっきりと見えてきていた。ルーティは真っ直ぐ捉えながら両手を後ろに伸ばして電撃を放ち、更に加速。程なく途切れたがその頃にはもはや目と鼻の先でありルーティは目一杯に手を伸ばして──
「キーラ! ダーズ!」
今度こそ。この手は。
「……!」
その影は陽だまりのような温もりで。
羽毛のように柔らかかった。
「っ……やっと」
この鼠は。
「やっと捕まえた……!」
何をしている──?