最終章
二手に分かれたフォーエス部隊の内先陣を担う陣が各々顔を見合わせて意を決するのを流すように見たロックマンが次いで視線による合図を送ると先頭に立っていたイレブンは静かに正面に向き直り、一度瞼を伏せた後で目を開いたと同時に叫ぶ。
「ルーラ!」
白く眩い光と一陣の風──
「……!」
それは、一瞬の出来事だった。
次にルーティが顔を上げると先陣を担う彼らは遥か上空で依然として激しい戦いを繰り広げるキーラとダーズと同じ高さの位置まで移動していたのだ。
すかさずスティーブンが指を鳴らしてドット状の正方形ブロックを一つ生成するとその上にベヨネッタが降り立った。そうして取り出し構えた銃の口にリップ音を鳴らして口付けたかと思うと彼女の周囲に時計のように針を刻む紫色の魔法陣が複数展開し、一定の範囲内の動作に関する全てを鈍らせる。
「頼んだわよ!」
ウィッチタイムによる効果時間は推定二秒──唯一その効果を受けなかったスティーブはベヨネッタの台詞に親指を立てて白い歯を見せながら笑うとまずは自身の足場作りに始まりそこから押し広げるようにしてドット状ブロックによるフィールドを生成した。面積にして二百メートル──見計らったかの如くウィッチタイムの効果時間が切れて滞空していた先陣の面々が着地する。
「上出来だな」
「この仕事は高く付くぜ?」
「ボーナスを付けておいてやろう」
スティーブのジョークにロックマンはふっと笑って返したが標的たる化身を振り返れば。
「……ただし」
随所から鳴る面々の構える音に合わせて右腕を変形させて砲口を構えながら。
「今度の任務を無事に完遂出来たらの話だ」
始まる。
「いきますっ!」
赤色に変化した聖杯の剣を腰に据えてホムラが駆け出すのに合わせて各々動き出した。空中に足場を作るまでは見過ごせても逢瀬と称されたそれに横槍を入れられることまでは看過できなかったのだろう、真っ先に気付いたダーズがぐりんと首だけを振り返り左眼を開いて瞳孔をキュッと細めたかと思うと足場を壊さんと周囲の空間を歪ませ触手を召喚した。
しかし──それが狙いである。足場を貫いて崩すべく突撃を狙う触手に方向転換した面々は各々の技や武器をぶつけた。その内の一人であるラッシュが触手を見事真っ向から焔を滾らせた素手で受け止めたその隙に天帝の剣を腰に据えたベレトとベレスが高く跳び上がり降下と同時に触手を貫いたが──成人男性二人分程はあろう太さである。傷は負わせられたが斬って落とすまでには至らず触手は抵抗すべく体を大きく畝らせた。ベレトとベレスは視線を交わして頷き剣を抜いて飛び退く。その一方でラッシュは歯を食い縛りながら依然として触手を解放せず、ますます手に力を込めて踏み堪えた。そして。
「ルルトォ!」
叫ぶ。
「刮目なさいッ!」
触手の上空に、影。
「これがッ」
影の正体は脚に青の閃光を滾らせながら。
「正義の鉄槌だわッ!」