第十三章
そう言ってルルトは返事も待たず背中を向けるとルーティを横切ってその場を離れた。まさかの破壊神を──よりにもよってこの状況下で平手打ちするという冷や汗流れる思わぬ事態にどちらを気にかければよいか分からないルーティだったがみっともなくキョロキョロと交互に見た後でルルトを選択。出遅れた分を取り返すべく急ぎ足で駆け付けてみれば。
「──ルーティ・フォンッ!」
……空気が震えた。
「貴方、最高に情けのない男ねッ!」
怯む最中に振り返る彼女にルーティは引け腰。
「あの場面で気圧されるなんてとんだ大恥だわ!」
「そ、それは……」
「ハッキリしなさいよ!」
ルルトは正面から向き合ったまま上空の対象を勢いよく指差して声を上げる。
「助けたいんでしょうッ!?」
目を開く。
「光に灼かれる未来も闇に呑まれる未来も彼らの思惑を阻止できなかったらの話……その術として双神が彼らを葬り去る選択を提示したけれど貴方だけはそれを頑なに拒んだ。私達にとっても異端だわ」
ルルトは腕を下ろしながら。
「それでも尚。誰もが貴方を力尽くで──それこそ気絶させてでも異端な意見を取り下げさせなかったのは何故だか分かる?」
紡ぐ。
「貴方という希望の象徴に賭けていたからよ」
心臓の鼓動が響く。
「全ての仲間を失う絶望的な状況から持ち直せたのは貴方の働きあってのことだと言っても過言ではないわ。一人だけの力ではないという細かな指摘は抜きにしてもここまでの纏まりがついたのは直向きに一心不乱に立ち向かった勇気の賜物というものよ」
ルルトは紺鼠の瞳を見据えながら。
「であれば」
はっきりと言い切る。
「私達は神様より貴方の方がずっと信じられる」
口癖のように繰り返してきた文言が。
胸の内側から響いて染み渡る。
「私達ならッ!」
ルルトは改めて声を張り上げて地面を踏み鳴らす。
「絶対に! 必ず最高のエンドを導き出せる!」
胸を叩く勢いで手を置きながら。
「それがッ! 私達"スマッシュブラザーズ"なのだからッ!」