第十三章
感極まった表情を浮かべながら叫んだかと思えば力強い抱擁──それに驚かないはずもなくスピカは思わず声を上げると反射的に放電した。案の定ダークウルフは感電してしまうわけだがそれが一瞬ではなく出血大サービスとばかりに数秒続く様を周囲の面々は何処か遠い目をして見守るばかりで。
「び、び、びっくりした……!」
スピカは黒焦げになって倒れるダークウルフだったモノを引き攣った顔で見つめる。
「かわいそー」
思ってもないようなことを水を差すようにぼやいたのはクレイジーだった。
「デキる部下相手にそれはないんじゃない?」
「は、はぁ!? いやこいつがいきなり──てぇかそれをお前が言うなよお前がっ」
そこまで言ったところで先程から鳴り響いて止まない爆撃音の中でも一際大きなその音に肩を跳ねてスピカは空を見上げる。そこでキーラとダーズの姿を見つけると困惑した様子で眉を寄せながら。
「な……え、ぁ……増えて……!?」
「マスター様とクレイジー様が心底面倒臭そうなお顔をされていらっしゃるので簡潔に説明を」
地面に座り込んだ姿勢であるスピカの傍らにいつの間に駆け付けていたダークファルコは片膝を付く。
「どの辺りから記憶がありませんか?」
「いや、……全然……」
「兄さんこいつの記憶弄ってさぁ」
「
以下略。……
「……混沌と闇の化身」
スピカは口に出して繰り返した後で自分の胸の前で手を握りながら。
「俺の中に……父さんが……」
クレシスは眠ってしまったのだろうか──その一部始終を眺めていたラディスは息を呑んだ。視線を受けたスピカはハッと振り返って視線を交わす。無論何から何まで説明を受けた後である。
「……ルー、は」
その内側の存在を示すかのように。
心臓が大きく鼓動する。
「もー起きてるんじゃない?」
クレイジーは相変わらず気怠げな態度で促す。
「返してやったら?」