第十三章
皆が、繋いでくれた。託してくれた。
信じてくれた。
「くっ、」
身を守る手段は全て失った。成す術もない。
「……マスター!」
大きく見開かれた無垢の目が真っ直ぐに捉えて。
然れど攻撃も防御も尽きた今は。
「はああぁあああぁああッ!」
繋がれた鎖が。絡み付いた触手が。
千切れて砕けて塵となる──
「……!」
金色の閃光が鳴き声を上げながら神域に飛び込んだが刹那強烈な風が巻き起こって否応なしに容赦なく全てを吹き飛ばした。そうして地上で展開する命を賭けた激闘を遥か上空で対峙する二対の神々が今の今更気に留めて目をくれるはずもなく。
突撃する羽根に触手が絡みつく──
「……う」
長い夢を見ていた。
そうは言っても目を覚ました今となっては朧げで。
痛く苦しい感覚だけが胸に残っている。
「、……」
きっと自分は何かを見せられていたのだろう。
物の序でとばかりに己の抱いた感情や心情を支配を通して共有することであの古代兵器は俺に何か伝えたかったのだろう。それだってこうして目覚めなければ無意味に終わっていたかもしれないと言うのに──全てを見越していたという話なら?
それは。……
「……起こし方が雑すぎる」
仰向けのまま。遠く空を見上げながら。
「そう言わないでくれ」
手厳しい意見に苦笑いを零して。
「おはよう。……マスター」