第十三章
横薙ぎの雨のような光弾を念力で全て凌ぎ切ったところでようやくユウは少しだけ振り向いてみせた。それと同時に視界に入ることとなったパートナーの存在に気怠そうに小さく息を吐き出して。
「本当に貴様は余計なことしかしないな」
「お仕置きなら幾らでも歓迎するぞ、ユウ!」
ユウはふんと鼻を鳴らして正面に向き直ると。
「"待て"は出来るな? 駄犬」
「わぅんっ!」
リオンは尻尾をばたつかせる。
「あ、あまり痛くするのは駄目だぞ……?」
「真面目に取り合うな」
作戦内容をテレパシーで共有するべくユウの隣まで進み出たラディスは何処かに触れているべきだろうかと思い、ユウの服の袖を触れたが鬱陶しそうに払われてしまった。そんなに嫌がらなくても、と苦笑いを浮かべそうになったが次の瞬間ユウは一度伏せた瞼をカッと見開きその双眸を金色に染めて空気感からも伝わる程の広範囲の念力を発動してみせる。
「、……皆、聞こえるかい」
ラディスは意を決して口を開く。
「これからマスターとクレイジーを鎮圧させる為の作戦内容を伝える──心して聞いてほしい」
ダークシャドウが影を使って動きを封じたタイミングで全員がそれぞれのチームの標的を相手に同じタイミングであらゆる角度から隙間なく一斉攻撃を仕掛けるということ。その攻撃はあくまで彼らの攻撃
そして、何より。
信じてほしいということ。……
「何だよそれ」
ディディーは不服そうに唇を尖らせる。
「いいとこ取りじゃん」
「アイツらしいわ」
そんな彼の隣でドンキーは失笑。
「英雄殿の御提案だ」
続けざま口を開いたのはロックマン。
「この作戦は必ず成功させる。総員失敗すればこの先一生路頭に迷うものだと思え」
「はいっ!」
「ブラック企業かよ」
意気込むフォーエス部隊の面々を目にロイは思わず薄ら笑いを浮かべていたが。
「……ま」
標的に視線を戻せば。
「我らが"元"リーダーの思し召しですし?」
滾る焔を払うように剣を振るい──構え直して。
「いっちょ派手に決めてやりますか」