第十三章
小さな四つ足で踏ん張りながら。
「……ピカァアアアッ!」
咆哮と同等の鳴き声を上げたピカチュウが電撃で焔の柱を半分ほど押し返したところで後方のフシギバナの準備が整い分厚い光線を大輪の中央から発射。マスターは目を細めて冷たく見据えながらすかさず空間転移によって攻撃を回避する。
「っは、……皆!」
「よくもやってくれたね!」
「絶対に許さないわよ」
「決めてやる!」
距離が取れたともなれば再び強制コマンドの範囲外となる。レッドが呼べばよろめきながらも立ち上がったローナ、シフォン、ネロは苛立ちを込めながら口々に言ってレッドを護るようにその前に横並びになり、それぞれの得意技を声を揃えて発現。
「──
そうして放たれた最大出力のハイドロポンプ、ソーラービーム、大文字は空間転移した先で次の行動に移ろうと油断していたマスターの元へ──空気が震える規模の大爆発。一帯に蔓延する黒煙に各々は鼻を腕で庇ったりたまらず咳き込んでしまいながらも構えは解かず警戒を走らせる。
「、!」
黒煙に呑まれたマスターは案の定先程の攻撃を防壁によって防いでいた。依然として洗脳から醒めないまま技を発動しようとするも右手首に巻き付く黒に遅れて気付いて目を開けば。
「はああぁああああッ!」
黒煙を突き破り、横から飛び込んできたのは。
「くっ……!」
ラディスの渾身の一撃基電気を帯びた拳は案の定防壁によって防がれてしまっていた。これがそう易々と通るようなものとも思っていなかったが最初の不意打ち以外の攻撃が全て防壁で打ち消されているともなると途方に暮れてしまうな──思わず眉を寄せてしまえばラディスの周囲に複数の透明な硝子板が現れ、それぞれが中央に光を吸収し始める。しまったと思ったのも束の間ラディスの足首に地面から飛び出した影が巻き付いて力一杯に手繰り寄せたかと思うと反動を使って──蔓延する黒煙の外側へ。
「うわあっ!?」
思わず声を上げたが結末は地面に不時着兼強打ではなく誰かの腕の中。ラディスはきょとんとして恐る恐るその何者かを見上げる。
「さっすが兄ちゃん!」
「当たり前や!」
受け止めたドンキーの側で喜ぶディディー。
「お前……ラディスなんやってな」
憂いを帯びた声音で言うので思わずどきりとした。
「ど、ドンキー」
「話は後や」
せやけど、とドンキーはラディスを下ろして。
手のひらに拳を打って臨戦体勢。
「──三日三晩話聞かされる覚悟はしとき!」