第十二章
──全滅?
「うん」
金髪の青年は頷いた。
「
天空大都市レイアーゼ中央司令塔にある三階、会議室にて。神妙な面持ちで集うのはお馴染み第四正義部隊フォーエス部隊の面々。
はてさて疑問符が飛び交うことだろうがこれは今ではない過去にあった出来事である。
そしてそれは。凡そ数十時間前にまで遡る──
「……全滅、って」
思わぬ発言に沈黙が生まれる。
静寂に落ち込んだこの空間の中で時計の針の音だけが妙に響いて。未来視の使える彼の発言を今更疑えるはずもない──しかしながら信じる他ないのだとしてもどう対処するべきか。
分かっている。
自分たちは現在進行形で利用されている。
「あーもう! 最っ悪!」
たまらずパックマンが声を上げた。
「それもこれも全部、上層部のクソボケハゲ共があのリドリーとかいうぽっと出のマッドサイエンティストに媚び売り始めたからだよ!」
「落ち着きなさいパックマン」
ロックマンが宥めるように言って息を吐く。
「間違ってはいないと思う」
「は、ハル君」
「本当のことでしょ」
トレーナーを一瞥して資料紙を見つめながら。
「目先の利益しか考えてない」
淡々と熱のこもらない声音で。
「……そんなものは正義とは言えない」