第十一章



まだ──! そのまま横倒れになるところを片手を付いて蹴り払いに移行することでカバー。それによりミカゲも足を取られたが倒れかかりながら生成した水苦無を投擲。流石に躱せないと見て肌の表面に青白い閃光を走らせ放電すれば目と鼻の先にまで迫った水苦無を爆散させ実質的な回避に至ったが今度ミカゲ本体の姿が見当たらない。

「上だ!」

ラディスの声が聞こえたと同時に──影。

「、!」

瞬時に飛び退けば自分が先程まで居た地点に地面を割って抉ったような鈍い音がして周囲を土煙が包み込んだ。一体どんな攻撃を仕掛けたのだろうと確認する間もなく腕を鼻に被せて咳き込んでいれば風を切る勢いで接近する影を土煙の中にぼんやりと見つけて。気付いた時にはもう遅く。

「ルーティッ!」


一瞬だった。


「っか……は……!」

一発目は防いだけれど二発目までは──鳩尾に深い蹴りを頂戴するがまま突き飛ばされてその先にあった木の幹に背中から激突。それでも尚頬に青の閃光を走らせて戦意を示したがそんなものは無意味だとばかりに正面から参じた彼の前腕が打ち付ける勢いで首を押さえ付ける。

「る、っ」

カービィが言葉を呑み込んだのは銃を構える音が背後から聞こえたからだった。

「……本気?」

当事者たるジョーカーは静かに口を開く。

「これが俺たちの答えだ」
 
 
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