第十一章
聞き返すまでもなく答え合わせの時は訪れる。
「なっ!?」
突如として上空の雲の壁を貫いて降り注いだのは無数の光だった。それはただ命令に従い触手を貫いて撃破するだけでなく、その正体が混沌と闇の化身の使役する化け物だと知りながらまるで生き物のように呻り猛獣が喰らい付くかの如く。
「、!」
ともなれば。
足場を奪われないはずもなく。
「スピカッ!」
──真っ逆さまに。
「ちょっ!?」
何が出来るとも限らない。いっそ何も出来ないのかもしれない──それでも自然と体が動くのが彼だと分かってはいてもあまりに無謀だった。
完全なる不意打ちで降り注いだ光の群れに足場の触手を崩壊させられたのが運の尽き。空に体を投げ出されて落下するスピカを視界に捉えた瞬間反射的なそれで腕の中から飛び出していくラディスに流石のカービィも反応が遅れてしまう。
「来やがった!」
攻撃の対象は触手ばかりではない──ウルフが声を上げてウルフェンの飛行速度を上げれば乗っていたルーティもミカゲもジョーカーも風の抵抗を最小限に抑えるべく体勢を低くした。
「っカービィ!」
危険を察知したルーティが叫べば今まさにスピカとラディスの後を追おうとしていたカービィは接近してきていた光を既の所で身を翻して躱すことに成功した。その後も追尾の止まない光の群れに小さく舌を打ちつつも回避優先で飛びながら──もはや影すら見えなくなったスピカとラディスの姿を探してカービィはぼやく。
「ほんっと……ふざけないでよね、神様……!」