第九章
「見つけた」
そんな声が聞こえて。
「!」
振り返った先に居たのは。
「フォックス……」
感動的な再会とは言い難い──ルーティとラディスの様子から流石のウルフもそれは察しているようだった。警戒を解かないままそれでもすぐには構えずに目を見張っていれば。
「心配したんだぞ?」
此方の気を知ってか知らずかフォックスは優しく笑いかけながらゆっくりと進み出る。
「皆で探していたんだ」
新たな足音を耳で拾って目を向けた先にはなんとファルコが立っていた。ぐるりと見回せばドンキーにリンク、マリオと見知った顔が四人五人だけではないずらりと皆不気味にも同じような笑みを浮かべて歩みを進めてくる。
「囲うのが好きだな」
「胴上げってそういうモンやろ?」
ドンキーが笑う。
「盛大にいきましょうか」
「せっかくの再会だからな」
ウルフはルーティに耳打ちする。
「本当に力技でどうにかなるんだろうな」
そんなことを言われても。
「……やってみなきゃ分からないよ」
洗脳されているのだとは言ってもその体も何も本物なのだ。出来ることなら傷付けたくないところだがそれが彼らの目を覚ます唯一の方法なら。
「遅れるなよ!」
「うん!」