第一章



ごくりと息を呑む。

間違いない──あれは"マスターコア"だ。


十五年前。

彼らでさえ種も仕掛けも知り得なかった創造神マスターハンドの中に眠っていたその力は当時この世界の秩序を守っていた勇姿ある戦士たち──特殊防衛部隊DX部隊を苦しめた。激しい戦いの末にリーダーを務めていた僕の父さんは二度と還らぬ人となりそれから十四年もの間元DX部隊である戦士たちは自責の念を抱いて。ある日を境に乗り越えて今に至る。


存在は認知している。どういった技を繰り出し立ち回るのか。もしもの時の為とフォックスを筆頭に元DX部隊のメンバーから対処法を嫌というほど聞かされてきた。──だから。


「大丈夫」


びくりと肩を跳ねる。

「ええ」

マークのその言葉にルフレは頷いた。

「たったひとりで立ち向かうわけじゃないわ」
「僕たちがいる」
「派手にやろうぜ!」
「おいおい。あまり張り切りすぎるなよ」


張り詰めていた緊張の糸が。

緩々と。解けていく。


「ルーティ」


僕たちの絆は。

どんな敵にも屈しない!


「いくよ、皆!」
 
 
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