第七章
ダーズは肩を竦めて笑う。
「おれ、何も悪いことしてないよ?」
空間転移をぱっぱと使ったが最後キーラの背後に現れるとその周囲に複数の穴が開いてその中から這い出てきた触手が直ぐにでも串刺しにしようと構えた。ダーズは目を細める。
「創造神と破壊神はこの世界を守りたいし神様の座も渡すつもりはない。オレはそんなの全く興味ないしお兄様を殺せたらそれで充分」
首を傾ける。
「協力しようよ」
「笑止」
次の瞬間キーラを纏う螺旋の羽が丸くキーラを包み込んだかと思うと眩いばかりの光を放つと同時に大きく羽を広げた。触手は光による火傷を負ったのか否か狼狽えたりたじろいだり様々な表情を見せながらキーラから遠退く。
「御兄弟にも御理解の程を」
目を細める。
「此れは私と弟の問題」
「だから黙って見てろって?」
クレイジーは鼻で笑う。
「指図できる立場だとでも思ってる?」
ざわつく。
「本物の神の逆鱗に触れたこと」
燃ゆる。
「──後悔させてやるよ!」