第七章
地上では爆撃や互いの得意な武器を交える金属音がけたたましく。そして、上空では。
「……!」
ダーズの繰り出した触手の一撃がキーラを纏う羽の一対を貫いた。羽は途端に浮力を失い空中分解しながらゆっくりと落下していく。
「地上にいる皆が危険だ」
ラディスが言った。
「うん!」
──止めさせないと!
「キーラ!」
ルーティは駆け上がりながら呼びかける。
「……ダーズ!」
キーラが腕を薙ぐと二対の羽が鋭く形状を変化させてダーズを襲った。同時に、ではない──ワンテンポずらしているのだ。けれどたじろぐ様子もなく空間転移を使って距離を取り、尚も追尾する羽を触手で弾いてダーズは後方に開いた穴の中へ背中から落ちる。であれば死角から仕掛けようというのは鉄板でキーラは振り向きざまハンマーの形をした触手の一撃を止めた。
「お兄様?」
口元に笑みを浮かべたまま首を傾げる。
「呼んでいるよ?」
「キーラ!」
ダーズは気付いていた。けれどその反面キーラは目もくれず応える素振りすら見せない。
「しかたないなあ」
ダーズはにやりと笑った。