第七章
戦いの幕は。
切って落とされる。
「お兄様ァ!」
飛び出したダーズを追う黒の触手が互いに絡み合ってその形状を変化させた。それはさながら巨大なハンマーのような形に変貌を遂げるとダーズは柄にあたる部分を持って振りかぶる。
その一方でキーラは一度閉じた瞼を静かに開くと自身の周囲に薄水色の防壁を丸く展開させた。攻撃はこれによって防がれるがそれでも威力は絶大なものらしく防壁はその色を黄色に変化させる。
「わ、」
自分たちこそそんな彼らの戦いに見入っている場合ではなかった。地響きは尚も止まずルーティは小さく声を洩らして踏み堪える。気付けばパルテナもピットも双眸を紫に染めて襲いくる戦士たちと戦っている。カービィもその一人でいつの間にかコピーしたのであろうメタナイトと同じ衣装と武器を手にルーティと並んだ。
「どうすんのさ!」
ルーティは眉を寄せて空を見上げる。
「……説得する!」
この期に及んで。カービィは顔を顰めがしがしと頭の後ろを掻いたが自棄になったかのように、
「ああもうっ!」
向かってきたメタナイトの剣を止める。
「僕だって止めないけどさ!」
踏み込み、弾きながら。
「──ちゃんと戻ってきてよね!」