第七章



地響きが強くなる。──近い!

「皆ッ!」

ルーティが叫んだ直後だった。

地面を下から突き破ったのは黒の触手。それが何本も何本も──キーラは小さく息を吐き出すと瞼を閉ざしてその場から消えた。空間転移を使ったらしい。そうなればこの場に用があるはずもなくルーティは即座に建物から飛び出す。

「……!」


神々しい黄金の空を。

何処までも暗く深い闇が侵蝕していく。


「これは……!」

遅れて駆け付けてきたラディスも声を上げた。

「、何あれ」

カービィが視線を向けた先で戦っていたのはリンクとロイだった。それぞれの双眸は赤の灯と紫の灯をともして激しく剣を交えている。彼らだけではない──見覚えのある面々が仲間同士であるにも関わらず戦っていたのだ。一方は赤い目、もう一方は紫の目であるのが特徴で前者がキーラなら後者は恐らくのことダーズの洗脳によるものなのだと否が応でも気付いてしまう。

「……上です!」

パルテナが声を上げる。

上空──キーラは双眸を赤々と染め上げて内側が極彩色である螺旋の羽を周囲に浮かべながら何かを待っているようだった。その何かは程なくして姿を現す。虚空に亀裂が走ったかと思うと黒の触手が空間を突き破った。内側から無理矢理にこじ開ければその中から水色の眼孔が覗いて。

「……あは」

口角を吊り上げる。

「みぃつけたぁ」
 
 
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