第七章
◆第七章『光と闇』
「……!」
光の柱の中へ足を踏み入れると直ぐさま空間を転移した。次の瞬間視界に広がっていたのは石造りの古い町並みと行き交う七色の光。これが数千年前のレイアーゼ──大天空界なのか。
「ルーティ!」
聞き覚えのある声に顔を上げる。
「、フォックス……」
感動的な再会であるはずなのに喜べない。それどころか動揺してしまった。リムもピチカも攻撃を仕掛けてきたというのに今度は歓迎してくれている。そもそも仲間なのだから戦わずに済むのならそれに越したことはないのだが。
「無事でよかった!」
笑う声が何だかわざとらしい気がして。
「……えっと」
「構うな」
マスターがぴしゃりと言い付けた。
「酷いなマスターは」
フォックスは双眸の赤を三日月に歪めて嗤う。
「せっかくキーラ様が許してくれたのに」
そうだ。
洗脳が解けたわけじゃない。
「ルーティ」
ラディスに呼ばれて小さく頷いてみせる。
今は。一時的にキーラが手を下さないように指示しているだけ。……それだけなんだ。