第六章
彼らしい回答とも言える。会いに行きたい気持ちも無論あるのだろうが何かしらいざこざがあったのなら最終的な判断は相手に委ねたいというのがマスターの答えなのだろう。
「、?」
何か異空間を抜けたような妙な違和感を感じてルーティは辺りを見回した。
「着きましたよ」
先頭を歩いていたパルテナが立ち止まる。
「……!」
直径約百メートルはあるだろうといった巨大な穴がそこにあった。ルーティは息を呑む。
似ている。……或いは同じ。
これはあの時ペレジアで見た大穴──!
「何これ」
「分かりません」
パルテナは静かに首を横に振る。
「ただ──私たちがこの大穴の中央にある光の柱からキーラの居る場所まで行き来していたということだけは確かです」
そうしてルーティは思い出す。あの大穴で拾った不思議な色の硝子の破片の存在を──思い出して自身のポケットを探ってみたはいいが、見当たらない。落としてしまったのだろう。
パズルが組み合わさっていくような感覚。
……この場所は。