第六章
それまで少し離れていた位置にいたカービィはルーティの隣に移動して腰を下ろした。
「ダーズだっけ」
「知ってたの?」
「あいつらが話してたから」
カービィはそう言ってマスターとクレイジーに視線を投げかける。
「それで?」
「うん。……その子なんだけど」
ルーティはその時の出来事を思い出しながら。
「多分キーラの弟だと思う」
「ええっ」
ピットは大袈裟に驚いた。
「谷底に居たんだよね?」
「片やその兄は遥か空の上」
ルーティは頷く。
「酷いことをされたのは事実だけど」
表情に影を落としながら。
「もしかして……事情があるのかなって」
「……冗談でしょ」
はいはい出ましたとばかりにカービィは呆れて物も言えない様子だった。
「あのさ。もし双子がいなかったら自分がどうなっていたか分かって言ってる?」
「、わ」
言いかけて口を噤んだ。
「……ふたりが……治してくれたんだね」
ルーティは自身の胸に手を置く。
「どんな事情があるにしたってあの化身どもは充分やらかしてるよ。この世界めちゃくちゃにして僕たちの仲間まで好き勝手してくれちゃってさ」