第六章
精神疾患。……だけで済めば良いのだが。
「、ぐ」
「ルーティ!」
如何にも苦しそうに歯を食い縛り、拳を握って痛みを耐えている様子のルーティにラディスは慌てて顔を覗き込む。熱のこもった息を吐き出して一瞬薄く開かれた瞼の奥にある瞳は確かに怪しい紫色に染められていた。
一刻を争いかねない事態にマスターとクレイジーは視線を交わすと立ち上がりそれぞれの手をルーティに向けて翳した。赤と青が灯り力の発動を示す。ルーティは口をはくはくと動かして酸素を求めながら背中を大きく反らして。
「あぁああ……ッ!」
「荒療治だが恨んでくれるなよ」
地面に巨大な魔法陣が浮かび上がる。
「……!」
ルーティの体に光が灯ったかと思うと幾つものウィンドウがブロックノイズを引き連れてルーティの胸の上に浮かび上がった。
「再構築」
カービィは呟いた。
「荒療治だと言っただろう」
「貴重な神力を使わせやがって」
口々に。けれどこうする他ないのは事実。
「……信じよう」
己が無力だからこそ。
「あ、……ぐッ……ああぁあ……!」