第六章
──地上。うろうろと忙しなく行ったり来たり歩き回るのはラディスだった。
「落ち着きなよ」
呆れたように促すカービィの横にはパルテナとピットが仰向けになって眠っている。どうにか彼らを鎮圧させることができたが次に目覚めた時に正気に戻っているかどうかは分からない。
「分かっているさ」
そうは答えるラディスだったが表情は変わらず曇っていた。実の息子が再会も虚しく先の見えない谷底に引き摺り込まれたのだから無理もない──マスターとクレイジーが急ぎ谷底に飛び込んだが彼らにしては帰りが遅い気がする。
「!」
そう思ったのも束の間虚空に亀裂が入ってカービィは注目した。釣られてラディスがそちらを見ると同時に虚空は内側から破られて。
「マスター! クレイジー!」
降り立つふたりにラディスは駆け寄った。
「遅かったじゃん」
カービィは直球で訊ねる。
「何もなかっただろうとは思わないけどさ」
クレイジーの肩に担がれているのは。
「ルーティ!」