第六章



……そういう民族なのだろうか。

褐色の肌といい光が嫌いである点といいダークシャドウと気が合いそうだなとは思うけど。

「おまえは?」

質問を返されてルーティは苦笑いを浮かべる。

「あはは……今はちょっと苦手、かも」

ダーズは振り返らずに歩きながら。

「そっかぁ」


光は──希望だ。

闇を照らし出し負の感情を払う。赤子が産声をあげれば祝福し迷い子が居れば導くのだろう。


けれど。

それが全てではないのだと思い知らされた。


光は。

一瞬にして全てを呑み込んだ。


「──ッ!」

物思いに耽ていたばかりに。

いつの間にか目の前でじっと見つめるダーズの存在に気付くのに反応が遅れてしまった。

「ルーティは」

その目は純粋に鋭い眼光で。

「家族いるの?」

何だろう。

この不安を煽るような絶妙な間は。

「い……いるよ」

ダーズはじっと見つめている。

「オレにもいるよ」

続けざまに口を開く。

「お兄様」
 
 
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