第六章
◆第六章『繝?繝シ繧コ』
暗い。寒い。
ここは何処だろう。
くっと瞼を強く瞑って。……開く。
体の節々が痛い。腕を使って支えながら上体を起こしたルーティはゆっくりと辺りを見回す。目を擦れど凝らせど窺えるのは暗闇ばかりで息づく生き物も気配もない。次いで上を見てみても光の一粒も視認できず兎角全てが黒。
確かに自分はあの時何か別の生き物によって谷底へ引き摺り込まれたはずなのだがその割には怪我一つ負っていない。マスターの防壁が身を守ってくれた可能性もあるがそれにしても少し体の節々が痛む程度で済むものとは。
「っ、とと」
試しに立ち上がってみるとふらついた。思わず声に出して踏み堪えてルーティは改めて辺りを見回してみるも結果は変わらない。
何にせよ無事だったことに変わりないしあんな形で生涯は終えたくなかったのでこれが奇跡であるなら感謝しなくては──
「、?」
蠢く影を視界の端に見つけた気がして。
「こっちだよ」
……幻聴じゃない。
「ばぁ」