第五章
「はっ!」
パルテナが杖を薙ぎ払うとその後方に大量の光の魔法陣が浮かび上がり幾つもの光の矢が中心からそれぞれ放たれた。それに加えてピットによる猛攻──顔を顰めたのも束の間マスターがより一層右目の青い光を強く瞬かせると各位を囲うように円形の防壁を分配した。
「これなら!」
ルーティは遅いくる光の矢にも恐れずピットに攻撃をお見舞いする。クレイジーは後方で奮闘する二人と一匹を尻目にエネルギーピラーをくるくると回転させて持ち直すと空を蹴ってパルテナに接近した。甲高い金属音を響かせながら攻撃の全てを杖によって防がれるもやはり破壊神、最後のひと振りが杖を弾き飛ばして。
これで終わりだとばかりにエネルギーピラーを大きく引いて突き出したが敢えなく金属音──受け止めたのは双剣を構えたピット。
「パルテナ様には」
双眸に赤を灯して睨み付ける。
「指一本触れさせないッ!」
──本物。
「あは」
クレイジーは口角を吊り上げる。
「いいね」
攻撃を弾いて。体を大きく捻り薙ぎ払う。
「──そうこなくっちゃ!」