第五章



「親衛隊とやらも見ない間に随分と数が増えたな」
「これも全てキーラ様の目的のためです」

女神は口元に笑みを浮かべるもその目が殺気を隠しきれていない。やはり双眸が赤く染まっている限り言葉は通じても、といったところか。

「キーラ様からの命令です」

パルテナが杖を大きく振るうとピットの群れはそれに応えるようにして構える。

「創造神マスターハンド──並びに破壊神クレイジーハンドはご同行を願います」


それ以外は。


パルテナは口元の笑みを消して言葉を紡ぐ。

「……排除させていただきます」

その言葉が引き金か光の矢の群れが降り注ぐ。身振り手振りなく冷静にマスターが顔を上げて右目に青い光を灯せば先程と同じ薄青の防壁が余すことなく防いだ。巻き起こる砂埃の中から飛び出したクレイジーが左手を翳せば赤い魔法陣の中心からエネルギーピラーが顔を覗かせ、引き摺り出したそれを使って容赦なくピットを叩きつけるもピットは強い衝撃を受けただけで光の粒子となり消滅してしまう。

「攻撃、してもいいのか!」
「大丈夫みたい!」

ひたすら回避に専念するラディスにルーティが答えるとラディスは頬袋に閃光を走らせて。

「──それなら見やすそうだ!」

程なくその小さな体を多量の電気が纏うとラディスは地上に降り立ったピット達に突進をお見舞いしていく。人間の姿の時と使い勝手は違うだろうによくも使いこなせるものだなと感心を抱いていると頭上に影が差した。

「ぼーっとしない!」

次の瞬間、ルーティに向かって振り下ろされたパルテナの杖は目の前に飛び込んだカービィの木製のハンマーによって防がれていた。大きく振るえばパルテナは空間転移を使って上空へ。
 
 
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