第五章



◆第五章『灯火の星』



森林都市メヌエル──ルーティを筆頭にしたX部隊メンバーのポケモン組の故郷でもある。

その名に恥じず自然に恵まれていて建物よりは緑の方が目立つとか。現地の住民でなければ観光すらままならないとまで言われるくらいには木々が生い茂り初見の人間は高確率で迷うほど──なのだがここが森林都市メヌエルだとしてあまりにも変わり果てている。しかし先程ルーティが一目に感じた通りここはその場所に違いなくその変貌っぷりにただ唖然として。

「山火事とかじゃなさそうだけど」

カービィはゆっくりと辺りを見回しながら。

「キーラの仕業ってこと?」

光が灼きはらった結果なのだろうか。

それはそれとしても点々と浮かんでいるあの光たちは何だろう。この世界が残っていたことに安堵するべきだろうが混乱するばかり。

「あっ」

そうこう考えている間にクレイジーが浮かんでいた光の内一つに触れた。罠かもしれないのにその勇気は褒め称えたいところだがまずはどうなるものかルーティは息を呑んで見守る。

「これ」

クレイジーははっきりと言った。

「人だね」


え?


「幽霊ってこと?」

カービィはあからさまに嫌そうな顔をして。

「兄さん」

クレイジーが一言呼ぶとマスターは歩み寄って同じようにその光に触れて確かめる。

「幽霊とはまた違うな」
 
 
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