第四章
とはいえ。このままこの場所に身を隠していたところで話は進まない──それどころか今度は本当に世界の全てを光に灼かれ消滅させられてしまう恐れすらある。キーラの目的が神になることである以上可能性としては低いだろうが、マスターとクレイジーを炙り出すためにどんな手段を使ってくるか分からない。
「ま。相手も大技使ってくれたことだし」
クレイジーは虚空を見遣る。
「表に出るなら今の内だろうね」
そうして左目に赤が灯ろうとしたところで、
「ちょっと待って」
ルーティは手を突き出した。
「タブーとダークシャドウは」
「ああ。あいつらか」
彼らは光の猛攻があったその間も亜空間に居たので被害は受けていないはずだ。戦力となるのなら是非力を借りたいところなのだが。
「どちらも力を使い尽くしてしまっているからな。回復を待つべきだろう」
残念な回答だったものの回復さえしてしまえば力を借りれるということか。
「ていうかダークシャドウって光苦手じゃん。復活したところで役に立つの?」
「か、カービィ」
そんなことを言ったら。
「必要ないってならそれでもいいけど。人件費削減ってことで」
それ見たことかとばかりに悪態が飛んでくる。
「ないよりはマシですねー」
カービィもこの手のひら返しである。
「どうもー」
……先が思いやられるな。