第四章
皆が。……繋いでくれた。
「あっ」
マスターが小さく咳き込んだお陰でルーティは物思いに耽る隙もなく現実に引き戻されると、クレイジーの手を即座に離した。
「すみません」
「へー」
カービィは後ろ手に回しながらにやにやと。
「今の場面ルーティ以外だったら絶対速攻手ぇ離してたよねえ。親子だからですかー」
「潰すぞメスガキ」
おおこわ、とカービィは悪びれた様子なくルーティの後ろへ避難。苛立ちを隠せない様子のクレイジーの背後でマスターが呆れたように目を半目にしていたのは見間違いでもないだろう。
「えっと」
ルーティは苦笑を浮かべながら話を逸らす。
「外の世界は大丈夫、かな……?」
何気ない疑問ではあったものの確かに気掛かりだった。キーラの攻撃による被害はあの場に居合わせた戦士たちだけに留まらなかったはず。世界の半分を灼いたとされる光だ、自分たちが退避したのを見て攻撃の手を止めていればまだ救いはあるのだが──
「問題です。亜空間は何処にあるでしょう」
「こ、……この世界の裏側」
「ということは?」
この亜空間が存在しているということは表側の世界が消滅していない証拠になる。
「よかった……」
ルーティは安心したように胸を撫で下ろす。