第四章



「うわっ!」

蹴りを回避したが直後の近距離から放たれるエネルギー弾に咄嗟に放電で直撃を免れたがそのまま弾き飛ばされてしまい壁に背中から激突。硝子とはいえそれで割れないとはなかなか頑丈だなと感心を持つ間もなく砂塵が晴れれば重い攻撃を見舞ってくれた張本人が立っていた。

「っ……本気なの……?」

この期に及んで。一筋の希望の光か可能性を見出そうとしているルーティにロックマンはただただ冷たく視線を返しながら。

「俺たちは"正義部隊"だ」

左腕を構える。

「正義こそが絶対であり誠であり全てだ。例え不条理だろうと正義の頂点たる司令官が命ずるのであれば寸分の疑りなく果たす」

ルーティはそれぞれ応戦中の現在のマスターとクレイジーの状況を確かめた。双方共に此方のカバーに入れるほどの隙は窺えない。X部隊の半分にも満たない人数だったフォーエス部隊も今やその倍なのだから。

「時間だ」

ロックマンは左腕を変形させると砲口の内部にエネルギーを収縮──それが次放出される時ルーティが覚悟を決めたように瞼を閉ざすと戦場の音が不思議と遠退いた。


硝子の割れる音。


「やれやれ」

ロックマンは際から見下ろしながら。

「役者も楽な仕事ではないな」
 
 
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