第四章



靴音を鳴らして。通路を真っ直ぐ歩いて行った先にエレベーターはあった。

扉の前に立ってボタンを押すとエレベーターは偶然にもこの階で止まっていたようですぐに開いた。とはいえ──こうもとんとん拍子に上手くいってしまうと乗せられてしまっている感が否めないが事実そうなのだから仕方ない。相手としてはもう既に準備は整っていて今か今かと待ち兼ねているのだろう。

「途中で爆発とかしたらどうしよう」

エレベーターに乗り込んだまではいいがそんな不安が最悪のタイミングで頭に浮かぶ。

「どんだけ信用してないんだよ」

無慈悲にも扉は閉まって昇り始める。

「心配するな。相手としては覚醒した古代兵器の性能を直に確かめたいところだろうからな。今更姑息な真似を使うとも思えない」

マスターが言うとルーティは納得した。

──古代兵器。ミカゲが話すには約二メートル程の円形の真珠色の球だと言うがその丸い球がタブーを襲ったりガレオムやデュオンの複製を作り出したりしたのだろうか。後者はともかく前者はそれだけ大きな球なら草陰に潜んでいたとしても気付かれそうなものだが。

「ねぇ、ふたりとも──」


その時だった。


「うわっ!」

エレベーター内が酷く揺れたかと思うと照明が消えてしまったのだ。まさか本当に爆破させるつもりなのか──心拍数の上昇、成す術もない状況にルーティ一人狼狽えていると暗闇の中で青と赤の光がぼうっと灯った。

「、え」

かと思うとエレベーター内の照明が点いて再び何事もなかったかのように昇り始める。

……何だったんだ?
 
 
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