第三章



次の瞬間である。

「──!」

薄い青色の防壁が展開して。鋭利な切先を持つ金色の鎖は弾かれると即座に巻き上げられた。その先に見つけたのは幼子の影。

「タブー!」


……見つかった!


「おいおい」

リヒターは眉を寄せながら鞭を構える。

「見つかったってことは」
「首が飛ぶな」

シモンが言うが刹那タブーは再び鎖を放った。次も薄い青色の防壁が防いだがひび割れて砕け散る。すかさずリヒターとシモンは鞭を振るい鎖を捕らえると内側に大きく引いて。

捕まえた!──そう思ったのも束の間タブーは空中で前転すると引き寄せられる鎖の上に着地して駆け出した。まずいと踏んですかさずルーティがその目前に飛び出すも下準備もなしに無鉄砲が過ぎたのか回し蹴りであしらわれる。

「くっ」

蹴り飛ばされたルーティが壁に激突してしまわないよう飛び込んだのはミカゲだった。体を抱きかかえて地面に転がり伏せたが直ぐさま水で生成した手裏剣をタブーに向かって投げる。

閃光を引いて振り向き、手裏剣を視界に捉えたタブーは即座に飛び退いた。近くの電柱の上に着地して見下ろすその彼をシモンとリヒターはそれぞれ鞭を構えながら睨み付ける。

「勘弁してくれ。子供だってまだなのにお守りなんて」

タブーは無感情に目配せをしていたがその内に標的をそれぞれ左右の瞳に閉じ込めると。

「にがさない」
 
 
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