第三章
ルーティは大きく目を見開いた。
「ミカゲ!」
感極まって飛び付く──やっぱり、フォーエス部隊は僕たちの味方だったんだ!
「し、……しー、で御座るよ」
ミカゲが気恥ずかしそうに人差し指を立てるとルーティはぱっと離れて両手で手を覆った。
「……チッ」
そんな中でスピカは舌を打つ。
「す、スピカ!」
「やっぱりあの時わざと逃がしたな」
……え?
「最善の策を取ったまで」
ミカゲは腕を組みながら答える。
「どうでもいいけどさ」
クレイジーは眉を寄せながら。
「どういうつもり?」
マスターは続けざまに。
「俺たちにとっては好都合だが」
ミカゲは小さく息をついた。
「隊長のご意向で御座る」
……ロックマンが?
「隊長はこの場には居ないわ」
先程怒号を浴びせた少女ルルトは腰に手を当てながら。
「その為の私たちよ」
疑問符が浮かぶ。
「──よく聞きなさい!」
またも大声。
「弱きを助け強きを挫き表舞台で活躍するのが第四正義部隊フォーエス部隊ならば!」
二カメラ。三カメラ。
「正義のため裏世界で暗躍する──それが私たち! その名も! 秘密結社『SP』!」