最終章
スターウルフといえば。リーダーのウルフ・オドネル率いるならず者集団である。
元々は、悪の科学者アンドルフ直属の精鋭部隊だったがアンドルフ軍壊滅後は何処の組織にも属さないならず者集団となり、そのならず者兼手下というのも、度量が大きく潔いウルフ自体を慕う者が勝手についてきて現在に至る。
「かっこいいだろ?」
パンサーは誇らしげに笑った。
「血塗れの戦場に常日頃身を置く側より絶対モテるって」
「正義も悪もやることは変わらんだろう」
レオンはつまらなそうに、
「第一に正義の方が美しく見えるのか。人当たりが良さそうな顔をして裏を返せば我々と同じだけ血を浴びているぞ。正義などとは化けの皮だ。自分を正当化しているだけに過ぎん」
これはまた随分と。
「言うねぇ。やってることが同じなら結果も同じだろ?」
「それなら待遇のよい方に身を置きたいと」
「その方が色々と便利じゃないか」
「戯け。政府のマーキングを受けた猫などいるか」
パンサーはやれやれと首を横に振った。
「その言い分じゃテメェ、真面目にこなすつもりはないのか」
口を挟んだのはレオンの隣で煙草を吹かせていた隻眼の狼、ウルフ。
「待遇はよくてもあっちにはルールがあるからね。飽きたら戻ってくるよ」
「傍迷惑な。追う組織が増えるではないか」
「使うあてが決まってよかっただろ」
レオンはナイフを差し向けて。
「そういえば貴様は去勢がまだだったな」
「ちょ、レオン、“あて”ってそっちじゃないから!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人を気にも留めずウルフは煙草の煙をひと吹き。