最終章
「フォックス」
呼ばれて、重たく足を向けた。
「……ちょっといいか」
ラディスの葬儀はひっそりと行われた。
参列したのは『DX部隊』メンバーと各防衛部隊だけ。その各防衛部隊も全員が参加というわけにはいかない。何せ、今度の戦いでレイアーゼはマスターとクレイジーの攻撃により都心部が多大な被害を受けたのだ。その修復や引き続いての防衛も行っている、何故なら――双子の死体が何処にも見つからなかったから。
またいつ仕掛けてくるかも分からない。そんな不安の声も多かった。だからこそ人々の不安を鎮める為にも多くの隊員を防衛に回す必要があったのだ。
結果として部隊メンバー以外の参列者はたったの三人に留まった。司令官含め関係者は誰一人参列に加わっていない。いつか誰かが言っていた。
――僕たち戦士はね。消耗品なんだよ。
「ファルコ」
雨に濡れて崩れた泥道をゆっくりと歩きながら。
「……クレシスは」
フォックスはふと口を開く。