第十一章-後編-



――数十分後、メンバーが集まってきた。

「はあ? 集中攻撃で穴を開けるって本気?」
「嘘をつける状況じゃないだろ」
「穴が開いたら?」

クレシスは少しの間を置いて、

「……俺が行く」
「マジかよ」
「ああ本気だ。今度こそ奴らの息の根を止める」

マルスとロイは顔を見合わせた。

「分かっちゃいるけど、ねぇ」


あれから一向に要塞は動きを見せない。

中の方では、もうとっくにマスターとクレイジーが融合してしまっているかもしれない。そうなればクレイジーは本格的にこの世界の破壊活動を始めるだろう。……たかが戦士数人では済まされない犠牲が出るのだ。

俺は何がしたかったんだろう。

この世界を守りたい? 本当にそれが全てだった?


結局はあんたも他の人間と同じ――


「ラディス」

ゼルダが離れたタイミングでフォックスが声をかけてきた。

ラディスは力なく視線を遣る。
 
 
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